AWS中国リージョンでS3を利用してWebサイトを公開する方法

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中国はインターネットに関する法律、規制・制限が数多く存在することから、世界各国の中でも特殊な環境にあります。

日本やその他海外で利用してるAWSアカウントとは異なるの中国リージョン用AWSアカウントの取得、グローバルリージョンとは一部異なるサービス・プロダクト、そしてICP登録の必要性等、Webサイトを中国で公開するには様々な課題があります。

この記事では、そんな課題が多い中国で、AWSのS3とRoute53を利用して静的Webサイトを公開することは可能なのか、どのプロダクトを利用すれば良いのかを、手順書と合わせてご紹介します。

ダウンロードはこちら

(2022年11月時点での情報をもとに弊社環境で実施した検証をもとに作成しており、完全性をお約束するものではございません、予めご了承ください。)

中国で静的WebサイトをAWSのS3を利用して公開する

まず初めに、ここでの「中国でWebサイトを公開」とはAWS中国リージョン(北京or寧夏)を利用して公開することを指します。
日本リージョンのWebサイトを中国からスムーズに閲覧できるようにする方法については、また別の記事でご紹介しますので、今回は割愛します。

今回ご紹介する方法は、

・EC2にElasticIPでグローバルIPを付与
・EC2に付与したグローバルIPと中国ドメインでICP登録を実施し、80/443ポートを開放
・取得した中国ドメインのサブドメインをS3バケットに割り当て、サイトを静的ホスティング

といった流れで実施します。

 

中国ではサイト公開にICP登録が必要です。

ICPとは「Internet Content Provider」のことで、中国国内のサーバから発信するすべてのWebサイトに課せられている登録手続き(義務)です。

ICP登録番号がないと、AWS中国リージョンでは、443ポート、80ポートを開放することができません。

ICP登録については、詳しくはこちらをご覧ください。

https://ci.clara.jp/cloudchina/icp/

ICP登録をするにはグローバルIP(固定IPアドレス)が必要です。

S3は固定IPアドレスを持っていないので、ICP登録ができません。
ではどうすればいいのでしょうか?
そこで、EC2を立ち上げ、ElasticIPを利用し、グローバルIPを取得します。
この方法を利用することで、付与した固定IPと中国ドメインを利用し、ICP登録をすることができます。

★ICP登録は、1つのドメインで申請した場合、サブドメインのWebサイトにも同じ登録番号を記載することができます。

ICP登録をしたら、EC2にコンテンツ(Webサイト)を置かなければならないのか?

EC2とElasticIPを利用し、中国ドメインでICP登録を実施できれば、EC2上にコンテンツを置き、Webサイトをホスティングすることは可能です。
しかし、静的Webサイトであれば、EC2ではなくコストが安く済み、運用負担が少ないS3を利用したいという方が多いのではないでしょうか?
日本であれば、簡単に実現することができるS3とRoute53での静的ホスティングですが、プロダクトの違いや特殊な法規制が存在する中国でも出来るのでしょうか?

結論からお伝えすると、S3でホスティングすることは可能です。

ただし、S3で公開できるWebサイトのドメインはEC2用に取得した、中国ドメインのサブドメインとなります。

ではどのようなステップを踏めば、実現できるのでしょうか?

 

S3を利用したサイト公開までのステップ

1.中国ドメインを取得します。

 

2.AWS中国アカウントでEC2を立ち上げ、Elastic IPを割り当てます。

 

3.取得した中国ドメインとグローバルIPアドレスでICP登録を実施します。

 

4.S3を立ち上げます。
※この時にバケットの名称や細かい設定等が必要になります。
詳細はこちらからダウンロードください。

※今回は弊社のパートナー会社であるBJNetworksのドメインで検証を実施しました。

 

5.S3にICP登録番号の記載があるWebサイトコンテンツをアップロード

 

 

6.Route53を利用し、4で設定したバケットの名称をサブドメインに設定します。

7.Route 53に戻り、作成されたホストゾーンをクリック。[Record name:ICP登録をした中国ドメイン]の[Type : NS]に記載されているネームサーバ情報を確認します。今回取得したドメインのプラットフォーム上で該当ドメイン(サブドメイン)の新しいDNSとして、確認した内容に修正します。

8.紐づけられたサブドメインでWebサイトが表示されているかを確認して、完了!

 

以上の手順において、中国でもS3を利用したWebサイトを公開することが可能になります。

備考:Route 53の設定からはAWS日本の設定とは大分異なっているため、こちらの手順を参照することをお勧めします。

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本書に記載されている情報は、2022年11月時点での情報をもとに弊社環境で実施した検証をもとに作成しており、全ての環境への対応や最新情報への対応をお約束するものではございません、あらかじめご了承ください。

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